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東に名臣あり」は6名の名臣たちが書かれた短編小説集です。
戦国時代からは小山田信茂、直江兼続、後藤基次の3名、
江戸時代からは田中玄宰、福原元僴、河井継之助の3名。

正直、小山田信茂って好きじゃないんですよね。
信玄亡き後、穴山信君同様に滅びゆく武田家を裏切った武将としてのイメージが強くて…。
やっぱり、最後まで主家に尽くす忠誠心の高い武将が人気ですよね。
まぁ、そんなことばかりいってると、知識が偏りがひどく一方なので、
ときどき、嫌いな武将の話を読んでます。
1冊まるごと、嫌いな武将についてだと、
読むのが辛くなるので、短編集ぐらいがちょうどいいかなっと。

信茂といえば投石隊だと思いますが、がっつり活躍が書かれてます。
あとは、勝頼との間に生じていく軋轢…。

直江兼続と後藤基次は、まとめみたいなもんですね。
よくまとめられてて読み易かったです。

江戸時代のお話は家のために、忠を尽くす名家老たちのお話。
財政難を乗り越えるや、倒すべき敵との戦いなんかが書かれてます。
河井継之助のガトリング砲の話も結構好きですが、
田中玄宰のあの手この手を駆使し財政難を乗り越える話が1番面白かった。
自分が、普段戦争の話ばかり読んでいて、
あまり内政メインの話を読んでいなかったのもあって、新鮮さがありました。

正直、江戸時代~幕末の話はこれまで読んでこなかったので、
全然、知識がないのですが、意外と読んでみると楽しい。
またなんか面白いそうな本を見つけたら読んでみたいと思います。

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三人の二代目は、
宇喜多秀家、毛利輝元、上杉景勝の3人の
家康に敗れた大名を取り扱った小説です。

関ヶ原をメインに扱った小説と思いきや、
関ヶ原以外のお話がメインでした。
合戦のお話が読みたいのであれば、他を当たった方が良いかもしれません。


秀家のお話については、
直家の継室、おふくの方の活躍が目を見張る内容となっておりました。
これは稀代の謀略家レベルといっていいぐらい…。

景勝のお話については、
なんでもかんでも直江兼続の手柄にする昨今の戦国時代小説とは異なり、
景勝が上杉家の当主としての役割を果たしているように書かれている点は
好感が持てました。
だからといって、景勝があんまり活躍するところもなかったですが。
景勝が活躍しない分、謙信の妹で、景勝の母である仙桃院がちょいちょい活躍します。

輝元のお話については、
なんというか、他の2人に比べて、可哀想…。
織田に攻められ、宇喜多に裏切られ、両川の間に挟まれて、
当主としての決断もできず…。
ぼんぼんも辛いな…。

著者 堺屋太一氏は今年で77歳。
名作豊臣秀長を世に送り出してから、早27年が経ちました。
現在は維新の会絡みの活動もされており、お忙しいかと思いますが、
今後も楽しい小説を書いていただきたいものです。

霧の城は日本三大山城の一つ、岩村城を舞台に繰り広げられた
織田家と武田家の戦いについて書かれた戦国時代小説です。

岩村城は織田信長の叔母おつやが嫁いでいたが、織田方の居城であった。
しかし、既に夫に先立たれ、未亡人となっていたことに目をつけた
この物語の主人公、武田方の武将、秋山信友は、
結婚の申し入れというぶったまげた方法でこの城を奪う。

さらに武田信玄率いる武田軍は三方原にて徳川軍に大勝し、
この勢いに乗って、織田軍を撃破できると思いきや、
信玄は進軍中に命を落としてしまう。

その後、武田信玄の後を継いだ武田勝頼は、跡部勝資と長坂長閑斎を重用し
これまでの武田に忠を尽くした老臣らの忠言を無視し、長篠の合戦へ…。

甲斐衆、伊那衆、遠山衆の間に挟まれ、難しい状況をおつやの方と共に
なんとか打破しようとしていくが…。


岩井三四二氏の小説は「難儀でござる」を代表に短編集が多く、
自分も初めて、岩井氏の長編小説を読みましたが面白かったです。


しかし、残念なのは、いかに岩村城が難攻不落の要塞なのかを
詳しく解説されていないことですね。

自分は今まで行った城の中で岩村城が一番好きです。
天守閣は明治に入って、一国一城令により取り壊されてしまいましたが、
石垣や井戸等、当時の遺構が多く残されています。

山城ってだけで、難攻不落のイメージがしますが、
勿論、山に城を作れば、簡単に難攻不落になるってわけではありません。
門や石垣、随所に城を落とされないような工夫を見ることができます。

また難攻不落の一因として水の手が断たれないということも大きいです。
通常、城の水の確保は近くの川からなのですが、
この城は海抜717mに位置しているにも関わらず、
サイフォン現象により、地下水が湧き出るため、水に困りません。


他に…。
綺麗な城下町、お土産地酒もある。

そんな素晴らしい岩村。
是非、一度、足をお運びください。

とまどい関ヶ原」は、タイトルの通り。
関ヶ原を取り扱った短篇集です。

「とまどい」がついているのはその通り、一筋縄でいかない御家の方々の難儀なお話です。

毛利家のお話が2本あったので、そのお話についての感想。
自分は「群雲、関ヶ原へ」の影響を強く受けているため、
安国寺恵瓊といえば辞世の際、「清風払明月 明月払清風」と言い残し、
善の境地に辿り着き、あの世に逝ったイメージが強いのですが、
この小説では最後について、書かれなかったため、
西軍を裏切る吉川広家と喧嘩しっぱなし、難儀でござるなぁといった印象が強く残りました。

また直前に読んだ残月の主人公 斎村政広が切腹する原因となった鳥取城攻め。
その城主である宮部長房が主人公となる話が最後に収録されてました。
実益があるわけではありませんが、なんだが、ラッキーな気分になりました。
例えるならば、星座占いで1位になるような実益にならない幸運だな…。

他にも、関所突破のお話や伏見城籠城戦の忍者軍団のお話なんかが
収録されてます。

関ヶ原本は安定して楽しいなぁ。
やっぱり、なんだかんだで合戦シーンの多い小説が好きです。

諸君、私は合戦が大好きだっ!

赤松広英と聞いてすぐに、斎村政広のことだよねっていえちゃう人間は
よっぽどの戦国ヲタか相当オフラインの信長の野望シリーズをやり込んだ手練だと思います。

一般人には斎村政広って言われてもわかりませんからね。

赤松広英はわからなくとも、竹田城は知ってるって方は多いかもしれません。
城に霧がかかり霞む姿が幻想的で、天空の城とも呼ばれています。


残月はサブタイトルにもあるように
その有名な竹田城の最後の城主となった赤松広英を扱った小説です。

正直言って、彼は下克上からかけ離れた人間で、
戦国らしい面白みある武将ではありません。

学問が好きで本から多くを学び、
治水や殖産といった内政に力を発揮、善政を敷くことで
領民にとっては最高の殿様だったといえますが。

幼少の頃からやがて朱子学を極めることになる藤原惺窩と一緒に
儒学を学んでいるのも影響してるんでしょうね。

そんな彼も最後は関ヶ原で西軍につき、亀井茲矩の讒訴により切腹…。
報われない殿様だと思います…。


ちなみに、赤松広英の妻は宇喜多直家の娘。
さらに竹馬の友である藤原惺窩の弟子には
松永久秀の曾孫説がある松永尺五がいます。

自分の好きな武将とは繋がってないようで繋がっている赤松広英なのでした。

世の中、難儀なことだらけ。

それは400年以上も昔の戦国時代も同じこと。
そんなエピソードが書かれているのが岩井三四二氏著の「難儀でござる」。

この本は難儀なことを頼まれ、あるいは巻き込まれ、
それを魔法のような素晴らしい解決法を編み出し解決していく様が書かれています。

登場人物自体は結構有名所が多いのですが、今まで知らなかった話ばかり。
いや、忘れただけかもしれないが…。

難儀なことに頼まれるのは何も武将だけではなく、
公家や農民、僧侶といった武将以外もエピソードも書かれていて、
その話も面白い。

最初のエピソード「二千人返せ」では、甘利虎泰が主人公となり、
主君、武田信虎からの無理難題を解決する話なのですが、
これが個人的には一番面白かったです。

次点で、快川紹喜を扱った「一句、言うてみい」かな。
武田家の桃井将監からの難儀を扱った「山を返せ」も良かった。


いや、みんな名探偵張りの解決っぷりだった。
そのハッソウハナカッタワ…。
発想力が羨ましい。
いやぁ、面白かった。

立花宗茂の話がメインと見せかけての高橋紹運。
知る人ぞ知る全軍玉砕で有名な岩屋城籠城戦をメインに扱った小説でした。

紹運と共に籠城した763名、尽く死に果てたものの、
3000名もの島津軍道連れに…。
クライマックスは涙なしには語れません。
自分も、目から汗が止まらねえ状態になりました。

島津軍の戦意は下がり、遺体の収容やら怪我人の手当などもあり、
立て直すのに時間を空しく消費してしまいます。

結果、秀吉が来る前に九州を一気に制圧する島津の計画を破綻させます。
まぁ、島津が九州統一できていようが、やっぱり秀吉相手では難しいでしょうが、
それが無意味だったのかと思えば、それは全く別の話。

高橋紹運が早々に降伏していたのであれば、
島津が秀吉相手に立花宗茂や高橋紹運らを先陣に使っていたのは、
簡単に想像できます。さて、生き残れるでしょうか…。

例え生き残ったとしても、簡単に返り忠する武将を
秀吉も良しとはしないはず…。
故に立花家を残すためには、全滅するより他なかったのかもしれませんね。
例外として、鍋島直茂みたいのもいますが、道雪や紹運がペラペラとしゃべくるところなんて想像もできません。


多くの戦国時代小説の場合、敵将は悪く書かれるものですが、
この小説では、敵となる島津や宗像らのことは悪く書かれていないのが、
非常に好感を持てました。
唯一、味方になる筑紫広門の扱いが少し気になりましたけど。


この本は「立花宗茂と立花道雪」なんてタイトルに改題されて出版されてますが、
ちょっとピンと来ない。ピントが合ってないように思います。

カバーの画にも突っ込まざるを得ないでしょう。
手前が道雪。奥が宗茂だと思いますが、
実の親子でもないのに顔似せすぎじゃないだろうか…。
似すぎで、噴飯しかけたよ。

やる夫が真田家に生まれたようです 第二十二話でも
その辺の話が漫画チックに面白く書かれていますので、読んでみてはいかがでしょうか。

あー、久しぶりに戦国姫萌えしたいわー。
と思って手にとった「女たちの戦国」。

タイトルでわかるかもしれませんが、この本は小説ではなく、戦国姫の逸話集です。
1人1人のエピソードはそこほど多くは書かれていませんので、
お気に入りの姫を見つけたら、その姫が主人公となっている小説を読めば、
さらに知識が深まって良いかと思います。

有名どころの姫はほとんど網羅されてると思います。
自分が意外だと思ったのは、今日、「無双シリーズ」でおなじみとなっている「立花千代」や「小松」、
「SEGAの天地人」や「真田信之やるお」で登場した「妙林尼」のエピソードに
一章分割かれなかったことです。
著者である楠戸氏は70歳を超えてますし、そっちには興味がないのかもしれませんね。


自分が一番お気に入りの章は「のぼうの城 映画化」で一躍時のひとに
なっているかどうかは知りませんが、「甲斐姫」の章です。

のぼうの城では、最高のツンデレ女として書かれていましたが、
本来の甲斐姫は、父氏長が嫡子を上げるのが遅くなったため、
嫡子同様に弓矢や学問の教育を受けて育った女丈夫。
さらに東国一の美人なんて言われていてすごい女性なんですよね。

そんな甲斐姫のエピソードが一話収録されてます。
他にも、龍造寺隆信の母である慶尼、信長の叔母のおつやの方、三好義賢の嫁の小少将といった
おなじみの戦国時代ならではの面白エピソードを提供してくれる女性たちが登場します。


正直言って、市だの松だの江だの姫を扱った小説は、
好きじゃないんですが、楠戸氏の「お江」はちょっと読んでみようかな。
そう思えるだけの面白さがこの本にありました。
でもまぁ、積み本がとりあえず、すべてなくなったらの話ですけどね。
そういう名前の戦国時代小説を読みました。
総合すると全然面白くありませんでした。
史実に登場する当たりから、久秀の扱いがもう酷すぎて…。

松永久秀が歴史に登場するまでの話、
つまりは完全なフィクションで書かざる得ない部分、
三好家に仕えるまでの話や初陣の話が書かれているところまでは、面白いといえると思います。

しかし、信長が登場する前後で急に扱いが小物になってしまいます。
あんなに信長や三好長慶から特別扱いされてる久秀がそんなド三品扱いされるはずが…。

濃姫を重要な人物扱いしてるのも個人的には好きじゃありません。
なんか国取り物語に似てた…。

弟である松永長頼の話も全然書かれていません。
あっさり死んじゃうし、内藤家に養子となり、継いだことも書いてない、

青年期はあんなに出てきた果心居士も終盤全然でてきません。
嫁に化けてでてきた逸話もないし。

一番、嫌気が差したのは、
多聞院日記で比叡山焼き討ち後、間もなくして死んだはずの
竹内秀勝がなぜか信貴山城攻城戦まで生きてることですね。

途中で投げ出しそうになりましたが、自分の松永久秀への愛は無限なので、
最後まで読みました。
「私が一番、松永久秀さまのことわかってるんだから…。」
なんてね。ちょっとヤンデレ化してみました。

これまで自分が読んだ久秀本からは少なからず松永久秀への好意が読んで取れるんですが、
この小説からは全然感じられませんでした。
いや、なんで久秀本書いたんですか?そんな印象を受ける内容でした。

わかりやすくなるのかどうかは人それぞれかと思いますが、
戦国時代小説は要は同人誌みたいなもんで、主人公や作品の登場人物に愛の無い方が、
オリジナルから明らかに外れてしまっているストーリーを書いちゃだめだと思うんですよね。
いや、愛がなくても、同人誌はエロがあれば売れるのか。

天正十年とだけ和暦を聞いても、ピンと来ない方が多いのではないでしょうか?
天正十年とは、1582年、天下統一直前で織田信長が明智光秀の謀反によって、
命を落とすことになる、いわゆる本能寺の変が起きた年のことです。

この小説「天正十年夏ノ記」の主人公は、勧修寺晴豊(かじゅうじはるとよ)といって、
武家と朝廷の繋ぎ役である武家伝奏を務めた人物です。

物語は信長が朝廷を接触を持ってから、本能寺に至るまで、
義昭将軍即位~追放、松永弾正謀反、荒木村重謀反、本願寺との和睦といったエピソードが
朝廷側に立って書かれており、いつも読んでいるような
武将たちからの視点とはまた違った見方でき、面白い小説だと思いました。

元の資料は晴豊本人が残してくれた晴豊公記から
抜粋している点が多いのではないかと思います。

自分たちが今も、戦国時代の歴史を知ることができるのは、
日記を多く残してくれている彼のような公家や
奈良興福寺多聞院日記を残してくれた僧侶たちのお陰なんですよね。

信長が朝廷を蔑ろにする行為は日に日に多っていき、
ついには三職推任(将軍・関白・太政大臣どれでも好きなのドーゾ)されても返事を返さないという
律令体制の官位にこだわらない姿勢から見ても、
信長が本能寺で弑殺されていなければ、今の天皇家も、もしかするとなかったかもしれませんね。

一応、これで岳宏一郎氏の戦国時代小説をひと通り読みましたが、
いつも荒木村重、松永久秀がいい扱いを受けていますね。

この「天正十年夏ノ記」でも、岳氏著作の中で一番松永弾正がご活躍されてますので、
松永ファンは是非一度読むべし。

岳氏の小説は全般的に面白くて好きです。
この小説でもいえることですが、他の小説家ではスポットが当てない人物にもライトを
当てて面白く書いてくれるのが特に良いですね。
是非、次は松永弾正で小説を書いて欲しいものです。

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